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2005年8月23日 (火)

レクサスとクラナド

■アメリカで成功を収めたトヨタの『LEXUS』。今月末から日本への逆輸入が本格的に開始される。今夜、そのテレビ広告を初めて見て、いやあ、驚いた。
■なぜ、その広告用サウンドに、アイルランドの音楽を使うのか? テーマソングとして採用されているのは“Harry's Game”のテーマ。これは、知る人ぞ知る“クラナド”の名曲。“クラナド”は“チーフタンズ”や“U2”、クラナドのメインボーカルである、マイヤ・ブレナンの妹である“エンヤ”などに代表される、アイルランドのサウンドだ。
■“Harry's Game”のテーマは、確かに『LEXUS』の高級感をイメージさせる曲なのかもしれない。しかし、なぜこの曲でないといけないのか? 90年代にアメリカで成功したのなら、その当時のアメリカの代表的なミュージシャンを使えばいいではないか。アイルランドを賛歌するクラナドのあの名曲を使うのであれば、それなりのコンセプトがあってしかるべきだろう。
■個人的なエゴだとは分かっているが、“Harry's Game”のテーマやKansasの“Dust in the wind”とか、訳分かないプロデューサーに使ってほしくないんだよね。
■ちなみに、『LEXUS』の広告はウェブでも見ることができる。
 →http://lexus.jp/feel_lexus/journey/

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2005年8月22日 (月)

恐るべし小松政夫

■イッセー尾形のファンクラブに入っている。舞台は欠かさず観るようにしているが、最近はいまひとつ面白みがなく、足が遠のいていた。
■あるパーティで友人から「小松政夫との二人芝居」があるんだけど行ける? 行きたい? と、聞かれた。小松政夫が出るというなら、是が非でも行きまっせ。
■というわけで、チケットを譲ってもらい、土曜日の夜、「原宿クエストホール」に観に行った。午後7時開演。引けたのは午後9時半近く。二時間ちょっとの舞台は、スゴイの一言だった。

■イッセー尾形の一人芝居は、通常5~7本のコントで構成されるが、その夜の小松政夫との二人芝居は3本のみ。当然のことながら、1本のコントに要する時間は通常よりえらく長くなる。が、退屈することは全くなかった。
■イッセー尾形の笑いと小松政夫の笑いは対極にある。ニッチな笑いとギャグの王道。その二人がひとつの舞台の上に立って演じるのだ。とても危うい。台本はあるが、いつもお互いに何かを仕掛けている。その緊張感は尋常じゃなく、強く弾かれる観客の笑い声もハンパじゃなかった。

■そんなゲストを招き入れて演ずるイッセー尾形の勇気もさることながら、主役を完璧に食ってしまっていた小松政夫の存在感はコワイほどすごかった。
■役者と芸人の違いなのだろうか。

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2005年8月11日 (木)

見ざる聞かざる言わざる

DSC04976c
■光当たらぬ実体は存在が見えない。過剰に光当たる実体は感覚を麻痺させる。

■「礼に反するなら、見ることなかれ、聞くことなかれ、言うことなかれ、することなかれ」と、孔子は説いた。…

■電話をすると女将(おかみ)が出た。

「あらっ、お久しぶり!」

 と、挨拶も早々に、明日の予約を事務的に済ませる。

■その店は表参道にある。看板も小さくてわかりづらい。「お品書き」には値段が書かれおらず、お昼ならランチ料金で財布を気にすることもないが、夜は青山価格でちと高い。とはいえ、丹念に仕事した料理を味わえる貴重な名店であることは間違いない。
 名店と称される店は接客も一流。当然、名物の女将がいる。柔らかい物腰と気遣いに客はいやされる。ビジネス口調で申し訳ないが、「Win-Winの法則」を忠実に実践したサービスに、客は本当に喜んで財布のヒモをゆるめるのだ。

■そんな女将が、ある日突然、顔を見せなくなった。

 「女将はどうしたの?」

 なんて、なぜか聞けなかった。板長から「明確な答え」を聞くのがイヤなのか。女将がいなくなるなんてありえない。そう思っていたからか。そうこうしているうちに、一年ほどが過ぎたのだった。

■予約の電話に出た女将は言った。

「申しわけありません。『お弁当』はこの夏はやってないんですよ。でも、ちょっと待ってくださいね。きっと大丈夫だと思います。……。板さんがウィンクしてます。ああ、似合わないぃわぁ(笑)。……『お弁当』ではありませんが、きっと準備できますからお越しください。お待ちしております」

■翌日、店に行くと、四人だけの料理が準備されていた。

■女将がいなくなっていた理由(わけ)を、こちらから聞くことは、これかも決してないだろう。特に気になる人のこと、なぜか聞けぬ。

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ウルトラマン

95860010c■TBSの裏口前、通路のような抜け道のような細長~い公園の端に、2体のウルトラマンがいつも突っ立っている。現在はウルトラマン・ネクサスと、右隅に頭だけ見えてるウルトラマン・ノア。どのラインアップにするかは、時折り変わるらしい。ウルトラマンにいつでも会えるスポットとして、一部の人たちにはよく知られている、という。

■昨日は表参道の『椿』にて四人で昼食会。

■言い出しっぺのS嬢と彼女の友人I嬢、共通の友人であるK氏と私、男女二人ずつの四人は、現地にほぼ定刻に集合した。

■この昼食会を企画したS嬢はデザイナーK氏とも私とも長年の友人。もう一人の出席者I嬢はK氏の知人。I嬢の名前は以前から知っていたし、お会いしたかった人。何かと話が通じるところあり、共通の友人であるK氏を含めた四人の初昼食会とあいなったのである。…ちょっと複雑かな? 要するに、会いたい友だち四人が初めて集合した、ってわけよ。

■表参道で食事をすると、芸能人と同席することがよくある。この日もそうだった。見た顔だと思いながらも、四人は知らぬ振りを決め込む。四人が空間を共有できる奇跡のような時間を無駄にはできない。そんな感じのときって、あるでしょ? ひたすら料理を味わい、それぞれの近況に一喜一憂す。誰にも邪魔されたくない貴重なひとときは、こうして暮れた。

■外に出ると蒸し風呂。朝方にドシャドシャッと降った雨はアスファルトに染み込み、カンカン照りの太陽が東京の地盤に降り注ぎ、午後の大気を蒸し返していた。『カフェ・レジュ』に流れ、一息ついて解散す。

■私は赤坂に流れ、ウルトラマンを見て帰社す。

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2005年8月 9日 (火)

デジカメ君さようなら

EOS_c■早起きした朝、急にフィルムカメラで写真を撮りたくなった。17-35mmズームレンズをフィルムカメラ本体に装着し、外に出る。三十六回、一気にシャッターを切る。

■このフィルムカメラ(EOS1N)は7年前に購入したもの。両手にピッタリ収まるグリッド感、ファインダーから見える画角の広さ、シャッター音、フィルムが巻き上げられる音。思わず身震いしたのだった。

■デジタルカメラの場合、シャッターを押すと、カメラのディスプレイに表示される撮影結果を見て確認ができる。そんな便利な使い勝手は、フィルムカメラにはない。カメラ本体に撮影結果を表示するためのディスプレイはない。

■非常に不便だが、そんな一発勝負の撮影姿勢がデジタルカメラとは違ったワクワク、ドキドキ感を引き起こしてくるらしい。デジタル一眼レフカメラで忘れてしまっていた感触。これは、いったい何なんだ?! 私はデジタルをすべて捨ててしまいたい衝動にかられたのだった。

■その日の夕刻、新宿の『MAP CAMERA』に走り、デジタル一眼レフカメラを持ち込んで買い取ってもらうことにした。機種は「EOS-20D」。使用した期間は半年弱。しかし、撮影旅行に行ったこともあり、撮影した枚数は少なくない(約3万枚)。よく働いてくれたことを考慮すれば、下取り上限価格が「13万5千円」の中古品買い取り価格で、「11万円」は悪くない数字。

■撮影枚数が多いのは、素振りができたからで、名作ライブラリーがあるわけじゃない。絞りや露光、アングルなどをちょっとずつ変えて、バシャバシャと撮影できる。デジカメは実験とその結果をその場で確認できる便利ツールなのだ。だから、枚数が増えても不思議はない。デジカメって、それを安価にカンタンに楽しみながらできてしまうからすごい。気に入った写真は、100枚に1枚あるかないかだろうな…。

■これまで愛用したデジタル一眼レフカメラは3台。「EOS-D60」「EOS-10D」「EOS-20D」。すべてキヤノン製だ。いずれも2年以内に買い替えてきた。買い取りをお願いしたのは、結果的に3台とも新宿の『MAP CAMERA』のA氏。「今回はちょっと早すぎませんか?」と言われてしまう。いろいろと、お世話になりました。

■写真の傾向からすると、Nikonのレンズが向いている。しかし、キヤノンを選択したことには理由がある。35ミリでアオリを使えるレンズを探したとき、キヤノンが一歩先を走っていたからだ。というわけで、カメラの本体もキヤノンのEOSを選んで使い続けている。なぜアオリかといえば、建築物をよく撮影するからだ。

■頻繁に買い替えてきたデジタルカメラだが、今回は当分の間、買い替える気はない。よほど魅力的な新機種が出ない限り、購入する予定はない。因果関係はないが、売った金でインクジェットプリンター(MAXART PA5500)を購入した。

■話は違うが、トイカメラやピンホールカメラも気になってはいる。思いもよらぬイメージを表現してくれるからだ。ただ、その表現にまだついていけないため、手を出す勇気がない。

■打ち合わせが流れた午後、千代田線で表参道から赤坂にくだり、蒸し風呂のような夏空のもとで汗だくになりながら、何度かEOS-1Nのシャッターを押す。一発勝負の緊張感がたまらなかった。

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2005年8月 6日 (土)

デザイナーの眼力

f16_03_24d2 昨年、デザイナーが今年のカレンダーの表紙に選んだのは、ガウディ建築物としては非常にマイナーな一枚の写真だった。写真家は戸惑い、デザイナーに「なぜ」と問うと、デザイナーはこう答えた。

「インパクトがあるからですよ」

 写真はサグラダ・ファミリア教会の地下にある礼拝堂だった。この建築物はガウディ初期の作品。放物線や双曲線といったいわゆるガウディらしい独特の曲線がまだ使われていない頃の建築物で、ロマネスク様式をずるずると引きずった古めかしいものなのだ。とはいえ、やはりそこには建築家ならではの独創性が確かにある。その輝きをデザイナーは見逃さなかったのだった。

 二十年ほど前に世界遺産として認定されたガウディの建築物が3つある。「グエル邸」「グエル公園」、そして「カサ・ミラ」の3つだ。現在では最も有名になった「サグラダ・ファミリア教会」は含まれていなかった。
 先月の20日、2005年度に新しく認定を受けた世界遺産が発表された。日本では「知床」が選ばれたが、スペインではガウディの建築物がまた選ばれた。それも4つが追加されるという快挙!
 「サグラダ・ファミリア教会」をはじめ、最高傑作と称される「コロニア・グエル地下教会」、最も人気の高い「カサ・バトリョ」、そして最も地味で目立たない「カサ・ビセンス」までも…。一人の建築家から7つ建築物が世界遺産に認定されるとは、なんとも凄い評価のされようである。

 サグラダ・ファミリア教会が認定された条件だけ、厳密には少し違う。建築物全体が認定されたわけではないのだ。ひとつの建築物から2ヶ所が特に選定された。ひとつは、東に位置する「誕生のファサード」。そしてもうひとつは、あのデザイナーが選んだ「地下の礼拝堂」だった。

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