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2005年12月 9日 (金)

無修正です

 無臭性…じゃなくて、無修正。気になりませんか、この言葉。

 以前はモザイクかけた「無修正ビデオ」などによく使われていたが、最近ではちょっと違う場面でこんな表現によく出くわす。

 「この写真はもちろん無修正です。」

 撮影した写真には手を一切加えておりません、という撮影者からの宣言。強い意思が感じられる。これは、複数のカメラを比較評価するカメラ専門誌の記事で見ることはほとんどない。その理由は修正しないのが当たり前だからだ。じゃあ、どこで頻繁に見るかというと、写真を掲載しているウェブサイトやブログ。
 カメラの特性を正しく伝える場合には、撮影者の真摯な態度がうかがえ、非常に好感が持てる。とはいえ、無修正であることを、撮影した写真の価値を高めてるかのような姿勢がある場合には、かえってうさんくささを感じる。
 なぜなら、写真を発表するメディアの特性を知った上での撮影ならともかく、ウェブだけでなく葉書やプリント用紙、プロジェクタ用フィルム、印刷媒体など多くメディアに展開するとき、同じ色合いになることは奇跡でも起こらない限りあり得ないからだ。ただし、改ざんは論外だ。

 先日、友人からガウディ・カレンダーをA3サイズの写真用紙にプリントしたものをくれ、と頼まれたのだが…。
 そのときに使った画像データは、印刷のときに使ったインキ用データではない。今回はインクジェット用にデータを修正して、印刷したときのイメージを再現したからだ。このような修正をしたからといって、写真の価値は落ちないと思うのだが、どうだろう。
 それに、印刷用データにしても、撮影したときの記憶イメージを再現するには、インキの特性に合わせる作業が不可欠で、オリジナルデータとは違っている。このような作業は、修正でなく調整と呼ぶほうがいいのかもしれない。

 ディスプレイの特性の違いによって、このブログにアップされている写真の印象がかなり違っているはず。また、撮影者の手の届かぬところで知らないうちに調整されているものだ。デジタルにしてもアナログにしても同じ。
 撮影した画像に自分で手を加えなかったときは、「もちろん」とか「修正」といった言葉を使うのでなく、たとえば次のような表現にしてみてはどうだろう。

 「この写真は無調整です」
 「この写真は調整なしです」

 「もちろん無修正です。」は、やっぱり気になるなあ。「この写真は調整してないけど、きみの顔のシミは修正して取ったところがあるんだけど、内緒ね。」くらいだったらいいんだけど…。

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コメント

あ、わたしも最近そのように書かれているのを見るたびに、
違和感を持って見ていました。
写真の価値を高めている、というよりも、
撮影した人の自慢、「腕だけでこんだけ撮れるんだぜ、
フォトソフトで色だの彩度だのいぢったやつとは違うんだぜ」と
いわれているような気がして、ちょっとヤだな、とひそかにカンジることもあります。
「いつものように無修正」というのも気になったり。

投稿: いちこ | 2005年12月 9日 (金) 11時16分

微妙な言い回しですね。

どっちかというと必要なら調整はして欲しいかも。
「この写真は超高級モニター用に調整されています」(笑)
まるで食品です。
そのうち「無添加です」とか「無加調です(これいいかも)」とか(^^;)

最近多いのはヤフーのオークションの写真に使われていますよ、無修正。
これはホントに出品物の実物を撮影していますということなんですけどね。
時々デジカメがないからとメーカーのWebカタログの写真使っている方がいますからね。

書くなら、「色調無補正」とか、「EOS-5D撮影、Photoshopでリサイズのみ」とか具体的がいいかもね。

投稿: てろっぷ | 2005年12月 9日 (金) 11時39分

いちこさんもそう感じるときがありますか。そうなんですよねえ。
 最近、ARの菊池さんから紹介してもらった塩澤さんのブログ、Shiology(http://shiology.com/shiology/)のように、GR digitalの性能を見せることを目的として写真をアップした場合に、そう明記するのは問題ないんですがねえ。
 ただ、塩澤さんは“修正”して写真をアップすることがほぼ皆無なので、いちいち“無修正です”と書かなくてもいい気がします。書き言葉ですからねえ、ボディブローのように残るんですよねえ。

投稿: kawa | 2005年12月 9日 (金) 12時21分

てろっぷさん、そうか、書くときはどう調整したか、どう修正したかを具体的に書く、というのはいいですね。
 無調整って言葉も、無調整牛乳を想像させてちょっとねえ(笑)。別にふさわしい言葉があるといいんだけど。探してみます。

投稿: kawa | 2005年12月 9日 (金) 12時46分

役者さんのオーデションでの第一審査は写真提出の書類選考が多いのですが、
最近は修正写真が多いので、ネガ提出が普通になってきています。
修正の技は、素人さんでもかなり上がってきていますから、面接でがっかり、なんてことがあまりに多かったのでしょうね(笑

投稿: snowdrop | 2005年12月10日 (土) 08時21分

snowdropさん
この場合の修正は改ざんですね。プリントした写真だとネガがないと修正されたかどうかわからない。デジタルデータのままなら、修正履歴をチェックできる場合もあるけど、ネガなら有無言わせず一発で判別できますしね。

投稿: kawa | 2005年12月10日 (土) 09時45分

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