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2009年4月 1日 (水)

スーツの日

今日はお堅い客人が事務所に来る。

何を着ようか、と洋服ダンスをのぞいてみると、奥のほうに仕舞い込まれたベイカー・ストリートのスーツに目がとまった。クリーニングタグがついたままの冬物のスリーピース・スーツ。

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着てみると、腰周りがきつい。とはいえ、腰をまっすぐに立て、お腹をへこますと、ズボンのフックが見事に止まった。「オオッ」と声が出てにが笑い。胸周りも肩周りも少しきつ目だが、ベストと上着は無理なくはおれる。空手で体をかなり絞り込んできたので、もしかしたら……と期待したが、それでもやはり、ちょっと無理がある。とはいえ、着れないことはない。

その昔、会社を立ち上げたばかりの頃、シャレでひと月に一度、社員全員がスーツを着て会食をする日を決めていた。当時のスタッフたちは、ライターとかイラストレーターとかデザイナーがほとんどで、普段はスーツとは無縁の者たちばかり。ひと月に一度の「スーツの日」は、みな朝からニヤニヤしていた。男たちは無精ひげをそり、女たちは丹念にメークしていた。その日ばかりは会食するお店での扱いもちょっと違っていたような気がする。そんな恒例の記念日に、このスーツは着た覚えがない。すでに少し太ってしまっていたからだ。もう二十年ほど前の話だ。

午後、銀行の担当者たちが事務所に来たとき、私はクリーニングタグを取ったそのスーツを着て応対した。用件はうまく進んだ気がするのだが、どうだろう。彼らが去った後、いったいあのクリーニングタグはいつ頃、どこに住んでいたときに付けられたものなのか、急に気になり、いったん捨てた薄紫色の小さなタグを探すべく、ごみ箱をあさった。

…今となってはネクタイを締めることなどほとんどないのに、どうしちゃったんでしょ。ホッチキスが付いたタグは見つかったのですが、タグに書かれていたのは、ボールペンで走り書きされた私の名前だけでした。

(追記)トラッド一筋でボタンダウンのシャツしか持っていなかった頃は、ホントに痩せてました。若かったしね。このスーツを着たのは週明け月曜日。前日の日曜日の稽古で汗が出なくなるほど絞られた翌日だから、なんとか着ることができたんですよね。午前10時から6時間、昼食なしの稽古って、記憶をなくすほどの疲労感があります。そんな日曜日なのに、週末に向けてブクブクになってしまう自分の甘さが悲しいです。何もスリムになったことを自慢しているわけじゃありません。私は元々そんなに太る体質ではないので、スリムボディに強い願望はありませんから。ただ、もっと絞らないと、蹴り足が高く上がらなくて無様なんですよね。

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