すべての言葉よ 空を飛べ
ライブは第三部に突入していた。
「らもさんの歌、歌います」と、良元優作は言うと、ちょっと笑って真顔になり歌い始めたのだった。
人間らしいってわかるかい
しょっちゅうヘマをやるってえ、ことさ
俺は大麻で捕まって、牢屋で夜明けを待っている
東の空があ、白み始めて
すずめがあ、チュンチュン鳴いている
朝陽はもう上るよ、少しずつだけどね
そのときこそ、自由になるんだ
自由、自由って騒ぐけど
自由ほど不自由なものはねえんだ
そんなこたあ、分かってるけど
それでも自由が欲しいんだ
オイラは自由を求めてる
天皇からおまんこまで
すべてての言葉よ
空を飛べ
朝陽はもう上るよ、少しずつだけどね
そのとき、その日こそ、自由になるんだ
中島らもは好きでも嫌いでもなく、ずっと知らんぷりしていたけれど、最後の言葉にゃ、やられたわい。
土曜日の夕暮れどき、神保町の小さなワインバーに集まった人たち。二十人ほどだったろうか。常連たちはみな立ち見だ。
「聴きたい人がいるならやりますよ」
と、やってきた歌い手。そんなプライベート・コンサートだった。「キムおじさん」に皆こっそり涙し、曲の途中で大笑いしたり、歌詞を忘れた歌い手に歌詞を教えたり、なんとも賑やかな夜でありました。そして、どうかメジャーになってくれるな、と、願った夜でありました。
呼んでくれたみなべえ、ありがとね。そして、場所を気持ちよく提供してくれたボンビバンのママ、ありがと。
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