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2009年9月24日 (木)

朋あり遠方より来たる

20090924_1279

「お前、白髪増えたなあ」

「そうなんよ。黒い方が少ないくらいや」

Mは苦笑いしながら言った。

午前九時。地下鉄半蔵門線「水天宮前」駅5番出口で待ち合わせしたのだが、Mは30分前には駅に着いていた、という。

「汗っかきだからさ、コンビニで涼んでた」というではないか。馬鹿言ってんじゃないよ、着いたらすぐに連絡しろってんだ。

季節の便りやメールなどで連絡は取り合っていたが、最後にMと会ったのは、もう二十年以上前の話。十五歳から四年間は寮で同じ釜の飯を食らい、半年は同じ下宿屋でひとつの部屋を二人でルームシェアした友。歩く雰囲気だけですぐに分かる。

人形町『芳味亭』でMと少し早目の昼食をとった。帰り際、店の女将が私に普段は切ることない領収証を無言で渡した。ちゃんとした企業に勤務しているちゃんとした背広を着たMを、女将はうちのクライアントだと思ったようだ。

今日は得意先を回り、日立に宿泊し、Mは明日、九州へ戻る。

時間と空間を飛び越えて現れる存在が、ある限界を超えて近くなると、こちらが異次元へ弾き飛ばされる。その瞬間は嫌いではないが、怖い。「東京で会おう」と、九州にいるMから連絡をもらったとき、「お前をさらいにあした行く」という声がどこからか聞こえた。

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