文化・芸術

2009年6月28日 (日)

すべての言葉よ 空を飛べ

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ライブは第三部に突入していた。

「らもさんの歌、歌います」と、良元優作は言うと、ちょっと笑って真顔になり歌い始めたのだった。

  人間らしいってわかるかい
  しょっちゅうヘマをやるってえ、ことさ
  俺は大麻で捕まって、牢屋で夜明けを待っている

  東の空があ、白み始めて
  すずめがあ、チュンチュン鳴いている
  朝陽はもう上るよ、少しずつだけどね
  そのときこそ、自由になるんだ

  自由、自由って騒ぐけど
  自由ほど不自由なものはねえんだ
  そんなこたあ、分かってるけど
  それでも自由が欲しいんだ

  オイラは自由を求めてる
  天皇からおまんこまで
  すべてての言葉よ
  空を飛べ

  朝陽はもう上るよ、少しずつだけどね
  そのとき、その日こそ、自由になるんだ

中島らもは好きでも嫌いでもなく、ずっと知らんぷりしていたけれど、最後の言葉にゃ、やられたわい。

土曜日の夕暮れどき、神保町の小さなワインバーに集まった人たち。二十人ほどだったろうか。常連たちはみな立ち見だ。

「聴きたい人がいるならやりますよ」

と、やってきた歌い手。そんなプライベート・コンサートだった。「キムおじさん」に皆こっそり涙し、曲の途中で大笑いしたり、歌詞を忘れた歌い手に歌詞を教えたり、なんとも賑やかな夜でありました。そして、どうかメジャーになってくれるな、と、願った夜でありました。

呼んでくれたみなべえ、ありがとね。そして、場所を気持ちよく提供してくれたボンビバンのママ、ありがと。

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2009年6月 5日 (金)

武道整体の日々

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<中野坂上駅前は雨>

正月から始めた武道整体。今日で21回目となる。空手を習得する一貫として始めた整体だったが、人の体に触れて初めて感じるようになった人体の不思議に驚き、そして、人に影響を与える責任の深さに恐れ慄き(おそれおののき)、受講メモや施術メモを記述したり、西洋と東洋の医学書を読み漁るなどして、今夜もなかなか眠れぬ幸せな時間を過ごしている。

施術メモは、40項目あまりの基本的な手技(しゅぎ)について、施術を受けた人がどのような状態でどのような反応と効果を示したか、施術をした者が基本を順守しどのように応用できたかを記す詳細なもので、Excelファイルにのこしている。門外不出の内容だ。

受講メモは、数時間におよぶ師匠からの指導や自己反省などを記したもの。基本手技法への細かい指導や師匠の講義も含まれる。

このようなことが毎週1回、五か月間ちょっと続いてきた。本日は21回目。そのほか、友人や知人に協力いただき、ほぼ毎日、施術の機会をもらっている。順調にいくと年末までに一通りの過程を終了できるペースだという。それもこれも、空手という素地があればこそ、の話らしいが、何をもって独り立ちできるかは、まだよく分かっていない。

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2009年2月21日 (土)

一日一ミリ

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      <水天宮前:武道の稽古に行く朝>

今年も始まってすでに二か月を過ぎようとしていますが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか?

この正月から私は武道整体を習い始めました。全課程を履修するには、二年ほどかかります。武道整体を習得する目的は、あくまでも己が目指す武道の修行のためであり、武道整体を習得する技術課程をすべて修了したとしても、整体を人様にほどこせるようになるわけではありません。そこには相手の体と対話できる感性が不可欠になります。相手にどうすれば負担をかけない癒術(ゆじゅつ)ができるか、相手が本来持っている自然治癒の能力をどうすれば引き出せるのか、時々刻々と変化する相手の体からの微妙な反応をのがさない感性が最終的には問われるのです。

コンピュータ技術を分かりやすく解説することを生業(なりわい)にしている私のような人間にとって、武術整体の習得は新たなたコミュニケーション能力を開発する絶好の機会ともいえます。そのためこの二か月、武道整体は私をのめり込ませています。結果的に、武道に対する考え方もさることながら、稽古での動きにも何やら大きな変化が起きていることが自覚されます。

物理的にこの二年ほど、どうしてもできなかった股割りも、あと少しでペタンと床に腰を下ろせるところまで来ています。

ガウディ研究にも変化が起きています。日本に初めてガウディを紹介した故今井兼次先生が書かれた論文を、ひとつひとつ読み解く作業をこの二か月で終えました。そして今は、ガウディの代表作と言われる未完のコロニア・グエル教会の完成予想復元模型を世界で初めてつくった故松倉保夫先生の仕事を追いかけています。

まだまだ分からぬことばかりですが、一日にとにかく一ミリでも先に進むこと、そのことを武道整体を習得する過程で、師匠と先輩から教えをいただいている気がします。

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2009年1月20日 (火)

操上和美

今春、最も楽しみな映像。

写真家操上和美(くりがみかずみ)の初監督作品。

ゼラチン シルバーLOVE

<映画パンフレットの表紙> <映画パンフレットの裏>
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<映画パンフレットの2-3ページ>
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2009年1月19日 (月)

リチャードⅢ世

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いつもは女性客が9割以上占める観劇。しかし、今夜の「ACTシアター」には、なぜか男性客も多かった。古田新太の「リチャードⅢ世」東京初日。四時間の長丁場にも関わらず、カーテンコールは2回だけ。冷たい評価だった。そして、舞台を演じ終えた役者たちの顔も、明らかに不出来だと言っていた。

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2008年12月20日 (土)

僕は異邦人

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香港、韓国、バルセロナと外国を旅したとき、
電車の中で味わった不思議な感覚があった。

時間的な制約や社会的なしがらみから、
そのとき、自由になれた、
と、感じた。

見るもの、聞くもの、触れるもの、
すべてを新鮮な気持ちで受け止められた気がした。

恥ずかしながら、僕はそのときまで、
旅のおもしろさを知らなかったのだ。

日本にいながらにしてその感覚を味わいたい。
そう思って始めたゲーム。
それが「異邦人ごっこ」。

ゲームにうってつけの場所は、
電車の中。

電車に乗ると、
僕は呪文をとなえる。

「僕は異邦人」

すると、ゲーム開始のスイッチが入る。
そして、世界が変わる。

乗り慣れた銀座線がバルセロナの地下を走り出す。

………

『異邦人』作詞・作曲 久保田早紀
http://jp.youtube.com/watch?v=cRolhAIOMjo&NR=1

………

夕凪(ゆうなぎ)が島を抱きしめて
赤い帆が帰る
カフェオレ色の娘が
恋人を迎えにゆく……

『真珠諸島(アイランズ)』作詞・作曲 久保田早紀)

………

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2008年12月18日 (木)

メディアを造る意思

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        ●触覚はいつも敏感に●

■先日、NHK「公園通り(再放送)」に庄野真代さんが出演していた。ちょっと彼女に関係ある友人がいるので、話のネタに観ておこうか、と軽い気持ちで流し観する。

■ゲストは彼女ともう一人いた。■見知らぬ中年女性で、芸能人らしくない物腰。しかし、おだやかで品の良い美しさがある。表情の中に強烈に惹きつける何かがある。いったい、この女性は誰だろう? ■話を聴いているうちに、その女性が久保田早紀だとわかって狂喜する。きっと同じように感じた人が数多くいるに違いない。現在は久米小百合という本名で活動している、という。

■という、というほどにしか知らない。情けない話だ。久保田早紀のCDは私にとっては定番である。■歌い手に対する感情なんて、そんなものか…。結局、自分の都合が良いところで楽をしてズボラに生きるのだ。■心地良さをたくさんもらっているにも関わらず、発信している人に何も行動を起こさない。…薄情なもんだ、と自分で悲しくなる。そうしているうちに取り返しのつかないときを迎えてしまうのだろう。

■黙って座って情報を得られることに慣れきってはいないか? ■TVとかウェブとか、そんな便利な情報発信装置から恩恵を受けることに慣れきってしまい、自分の意思まで発信源に吸い取られてしまっていないか? 画一化された情報に感情が鈍化し続けていないか?

■新しいメディアを自分から造る努力を惜しんではならない。でも、どうやって…。

■あのTV番組は途中から観たため「異邦人」を歌う声は聴けずじまい。残念だったが、最近発表した「はじめの日」は聴くことはできた。■曲想の端々に以前の久保田早紀がいた。「ギター弾きを見ませんか?」「星空の少年」「真珠アイランド」…。今も前と変わっていない。彼女にしかできないメロディ。彼女でなければ表現できない世界がそこにはあった。■それだけではない。年齢を重ね、彼女が歌うさまは優雅さを増していた。彼女の口の動きにはなんとも言えぬ品の良さがある。■二十代前半だった久保田早紀は、二十年を経て久米小百合という熟成した女性に変貌したのだ。素晴らしい。

■久米小百合がこうしてメディアに再登場してきた背景には、ZARDが「異邦人」をカバーしたためだ。ZARDの「異邦人」はカバー曲としてはお粗末なできだが、こうして時を越え成熟したひとりの女性をメディアに再登場させた功績は大きい。

■番組の締めくくりとして、庄野真代と二人で「アメージング・グレース」を歌った。庄野真代はやはり歌姫だ。うまい。声の伸びが違う。サブに徹していた久米小百合も立派だった。

(2003年10月13日(月)の日記より)

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2008年11月22日 (土)

サイエンス・アゴラ2008

今日から世の中は11月二度目の三連休ですが、みなさんはどうお過ごしでしょうか?

私は日曜日に開催される空手の「演武会」に向けて、日々精進しておりますので、連休気分ではありません。ただ、演武会の本番で何をやるのか課題が決まっているわけではないので、「出たとこ勝負。どうにかなるさ」と開き直ってもおり、いま一つ緊張感に欠けた日々を送っておりました。

その翌日の月曜日が、実はメインイベントなのです。友人が『サイエンス・アゴラ』という真面目なイベントで講演をするのですが、私はただ出席すればいいだけじゃなく、講演会の後でいろんな人と会って話をすることになっているらしく、一週間も前から、そちらのほうで緊張感いっぱいなのであります。ちょいと強面に見えても、人見知りが激しいのですよ。

『サイエンス・アゴラ』というのは、科学を広く普及させるためのイベントなのですが、はっきり言って、全体的にあまり面白くありません。とはいえ、昨年、友人の奈良島知行さんが講演した内容は濃く、素晴らしいできでした。今年も彼はやってくれると期待しています。

『サイエンス・アゴラ2008』11月22日~24日
 http://scienceportal.jp/scienceagora/agora2008/

「奈良島さんの講演」11月24日 午後1時半~3時
 http://scienceportal.jp/scienceagora/agora2008/081124/2-4.html

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2008年11月11日 (火)

『JT生命誌研究館』

『JT生命誌研究館』は高槻にある。京都と大阪との中ほどにあり、どちらからも、快速電車に乗って10分ちょっとで到着する。

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科学することと表現すること、その密接な関係について、館長の中村桂子氏にお話を伺うため、高槻を初めて訪問した。面会時間は午後2時から一時間。その前に館を見学しておきたかったので、開館する午前10時に玄関の扉を開いた。三時間ほどの見学。準備していた質問のほとんどは、見学している間に答えが出た。無用な質問を面会前に排除できたのが幸いしたのか、午後の面会では先生から時間を延長してまで貴重なアドバイスをいただくことができた。

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一階にはさまざまな展示が広がっている。「生命誌の階段」という正面階段を上っていくと、階段沿いに額載されたイラストが四階まで続く。地球誕生から現在まで、46億年に渡る生命の多様性と共通性がイラストで表現されている。この共通性のイラストを描いたのが菊谷詩子氏である。彼女は「Tane+1(タネ・プラス・ワン)」の一員であることから知己を得、私を中村桂子氏に紹介してくれたのだった。

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2008年11月 4日 (火)

文化を堪能した日

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11月3日は「文化の日」だったので、何か文化的な行動をしたいと思い、シンポジウムに出席してきました。もちろん聴衆の一人として。場所は東京大学。アカデミアとは全く無縁の私にとって「安田講堂」に入るのは初めて。ちょいと緊張しました。

お題は「我々の未来はどうなるのか」。大上段に振りかぶったすごいお題です、まったく。東京大学総長の挨拶に始まり、基調講演、研究発表、パネルディスカッション、最後は副学長の挨拶で終了。主に大学関係者に向けた内容だったのですが、いやあ、分かりやすくて面白かったですよ。知の最新動向には驚きました。特に、ある高名な科学者が言い出したことを、若い科学者が率先してプロトタイプを作り上げた有機的で巨大な「知のデータベース」構想が大学全体を動かし始めた、という話がよかった。

ほかにも、ああそうだったのだ、という発見や、そんなことになってたんのか、という驚きもあって、非常に刺激的なシンポジウムでありました。

たとえば、生命が誕生して38億年あまりたつのだけれど、生命が海からはい出してきたのは5億年前だという。それは私でも知ってました。ただ、ですね。33億年間、生物が海から出られなかったわけは、大気中の酸素が十分でなくオゾン層が形成されず、海から出ると紫外線を浴びて死んじゃうから、という話がちゃんと広まってないんですよ。別の言い方をすると、生物が33億年かけて海の中から酸素を発し続けた結果、陸に上がることができた実績を、人の営みでオゾン層を破壊して33億年をチャラにするのか、そりゃいかんだろ、という話が、大衆に伝わってないってこと。

もうひとつ。今でも信じられないんだけど、世界中の生物科学者たちがよってたかって解明したヒトゲノムは13年間という歳月がかかったんだけど、来年完成するコンピュータシステムを使うと、1日で計算が終わってしまう、とか。ホントか? 聞き違えたかもしれません。

そんな話、あんな話がありました。

中休みをはさんで4時間と長丁場でしたが、あっという間に終わった感じでした。文化の日らしい過ごし方をしたかったというより、本当はある事情があって、基調講演をする中村桂子さんの話を聴きに行くのが目的だったのですが、とんだ収穫でした。

「我々の未来はどうなるのか」
-東京大学 学術統合化プロジェクト(ヒト/地球)シンポジウム-
  学術の統合から見えてくる
  地球と人類の未来を予測する
  http://symposium.scint.jp/

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